こんにちは。(^^)

妊活コーチの松本亜樹子です。

9月から始まったNHKのドラマ
「デザイナーベイビー」。

原作者も監修も著名な産婦人科のお医者様ということで
タイトルもセンセーショナルなもので
楽しみに録画していました。

この手の「不妊治療」を扱ったテレビ番組などは
けっこう間違った情報が多く、
ドラマなどで、メインテーマじゃない扱いをされるときは
ツッコミどころが満載だったりするのですが、
さすがに、専門医の原作と監修で
そのあたりはさすがで、安心して観られて嬉しいです。(^^)

ただ、ミステリー調なので、その全容が解明されていくにつれ
「ええっ」みたいなことも多く
ちょっとずつ、もやっとすることが増えてきました。

いつもの心配ですが、
「これ、ドラマだからだってこと、わかってもらえるかな?」ということ。

不妊治療に関わらない人がこれを観た時
「不妊治療って、こんなことするんだ!」
「今、不妊治療って、ここまでやってる人がいるんだ!」
って、勘違いしないかな~ってことです。

はい、こう見えてSF6番目がまさかの「慎重さ」ですからね。
心配になっちゃうんですよね。

当事者が「不妊治療をしています」って
そのカミングアウト、ますますしづらくなっちゃわないかな~って。

もちろん、ドラマの中でもちゃんと言ってるんですよね。
ゲノムレベルの不妊治療は禁止だって。

でもね~。
見てる人って、自分の見たいところを、見たいように見ますからね。
人って、そういう動物だし。
それが、ちょっと心配だなー。

それから、ドラマの中に出てくる、極端な単語に
どうしても、
どーーーうしても、敏感になってしまう私もいるのです。

それは、生命の’モノ扱い’ ともとれてしまう表現。

「この赤ちゃんは、自分の作品」
(-_-;)
・・・・・・こんなこと思ってるエンブリオロジストさん、
少なくとも私の周りには、いないし、あったことないです。

そして、
「この子は、先生に作ってもらいました」
(-_-;)
・・・・・・そんなこと言う患者さんも、たぶん、いないんじゃないかなぁ。
あったことないです。

演出上の極端な表現に過ぎないとはわかっていても
やっぱり、これはさすがにちょっと・・・
と、思ってしまうのです。

傷ついてしまう人が、たくさんいるんじゃないかなって。

不妊治療を知らない方に、
ぜひ、正しく知っていただきたいのは、

「赤ちゃんは、創れない」
ということ。

精子と卵子を取り出して、顕微鏡下で受精させ
受精卵をつくることまでは、できます。(できないケースも多々ありますが)
そして、ある程度分割するまで、子宮以外の場所で育てることもできます。

けれど、受精卵が赤ちゃんになるまで育み、出産するのは
人間の子宮でないと、できません。

そして、ちゃんと赤ちゃんがおなかの中で育つかどうかは、
誰も、手出しができません。

そこから先は、どうすることも、できないんです。

つまり、妊娠・出産だけは、
2015年の現在においても、人間の手が及ばないところであるということ。

斉藤ゆきさんのセリフで「神にはなれない」というのは、
つまり、そういうことです。

人間は、絶対に、自分たちの思う通りに、
ひとりの人間をこの世に生み出すことはできないです。

だから、不妊治療は難しくてしんどいし

だから、生まれてきた子供は、治療を経ていようが自然妊娠であろうが
みんな等しく、唯一無二の、
大切で尊い、たった一つの命です。

そんな、言葉にするのがばかばかしいほど当たり前のこと
けれど、決して忘れてはいけないこと

これだけは、ちゃんと伝わりますように。
そういうラストになりますように。

次回最終回、ドキドキしながら祈っています。
(原作は読まない主義)(^-^;A