こんにちは。
妊活コーチの松本亜樹子です。

今日は、先日、再認識した
ある出来事を書きます。

初心に戻してくれた、一言でもあります。
自戒のために、記録。

不妊治療をしていたころの仲間に
とあるコミュニティで、再会しました。

一人つながると、また一人、もう一人、と
その頃の仲良しの友人が、つながっていき
数年ぶりに言葉を交わすようになったりして
懐かしく、嬉しい関係が、また復活したと
思い込んでいました。

そうしたら、ある日、その中の一人から
個人メールが届きました。

その内容は
「申し訳ないけれど、つながりを断たせてほしい。
あなたのことは好きだけれど、
あなたの周りには、不妊という文字が必ず付いて回り
その言葉を見るたびに、心がざわついてしまって
今の平穏な日々を、壊してしまうから」と。

思いもかけない、意外な連絡に
私はショックをうけましたが、それよりなにより
ただ、ただ、彼女に対して
申し訳なく、思いました。

表面的には、元気で幸せそうに暮らしている彼女の
心の底まで慮れなかった自分を、本当に情けなく思いました。

不妊治療は何年も前に終わったけれど
彼女の不妊の経験は、ひとつも終わっていなかった。

そういうことだったのだろうと、
なぜ、そんな当たり前のことに、気が付かなかったのだろうと
今さらながら、後悔しました。

彼女はそのメールで、
「こんなにひどいことを言って、あなたを傷つけて、本当にごめんなさい」と
謝ってくれました。

謝るのは、こちらのほう。

不妊治療を、卒業した友人たちの中には
もう私に連絡しないでほしい、と言ってくる人は、何人かいました。

それは、子どもができなくても、

できても、です。

これは、体験者でないと、理解しづらい感情かもしれません。
けれど、決して、珍しい感情では、ありません。
私もこれまでに、何人もそのような友人たちを、見てきました。

自分の「不妊」あるいは「不妊治療」の体験を
自分の歴史から、消し去りたいから、ということなのでしょう。

その気持ちも、痛いほど、わかる気がするのです。
私も、一歩違うところにいたら、
きっとそうなっていただろうな、とも、思うのです。

そう。
不妊は、それほどまでに大きな体験なのだ、ということを
私は、じゅうぶん、知っていたはずなのに、
なぜ、彼女に対しては、それを考えられなかったのだろう。

傷つけたのは、私の方。

○○ちゃん、
忘れたかった「不妊」を思い出させてしまって
本当に、ごめんね。
もう、連絡しないから、安心してね。

彼女や、これまで私に同じようなことを言ってきた友人たちが
これからも、幸せで暮らしていけますようにと
ただ、願うことしか、今はできない。

そんな自分が無力で
どうしようもなく、もどかしく、思います。

けれども、こんな風に
「不妊」を「ただ忘れたいだけの出来事」にしないために
もしかして、何か少しでも、できることがあるんだろうか。

あるとしたら、それは、いったいなんなんだろう。

その思いを、更に強く
新たに、しました。

不妊治療は、新しい生命を授けてくれる、素晴らしい治療でもありますが
不妊という体験は
時に、こんなにも深く、心に傷をつけることができる
その可能性があることを、
忘れてはいけない。

このメールは、その猛省とともに
その根本的なことを、私に、思い出させてくれました。

不妊を、ただ辛いだけの体験にしないために・・
悔いのない不妊治療を送るために・・

いったい、どうしたら、いいんだろう。

また、少し落ち着いて、考えてみたい。
考えて、みよう。

不妊を「忘れたいだけの過去」にしないために
そのために、患者の立場で、できること。

ある?

ない?

なにが、できる?

それを模索しながら、
今年の師走を、迎えてみようと思います。