コーチング
そもそもコーチングとは
クライアント(コーチングを受ける人)の目標達成や自己実現を促すコミュニケーション(対話)のことです。
セッションと呼ばれる対話を通じてクライアントの可能性を最大限化します。コーチング(coaching)の語幹である英語のコーチ(coach) という単語の語源は「馬車」。乗客(クライアント)を目的地まで運ぶ「馬車」は、その昔ハンガリーのコチ(kotʃ)地方で製造されたものがもっとも優れていたことからその名がつけられ、今日でも欧米では綴りや発音は違いますが、鉄道車両やバスなどの乗り物が広く「コーチ」と呼ばれています。
そこから、「クライアントを目的地まで運ぶ人」が「コーチ」であり、その手法を「コーチング」と呼ぶようになりました。
コーチングで重要なこと
最初に行う最も重要なことは、クライアントとコーチの間の信頼関係を築くことです。
コーチングには守秘義務があり、そのうえでクライアントは安心して何でも話すことができます。
また、コーチとクライアントは対等な立場であり、何かを教えたり教えてもらったりという関係ではありません。
コーチングの理念の一つに「答えは相手が持っている」があります。
コーチングの答えはクライアントが持っているものであり、その答えに向かって進む際に、クライアントの潜在能力を最大限化するのがコーチの役割と言えます。
コーチングセッションで行うこと
コーチングセッションとは、コーチとクライアントが1対1で行なう継続的な対話であり、一般的にGROWモデルと言われるサイクルを回していきます。
GROWモデルとは、代表的なコーチングの会話モデルで、日常でも使える目標達成・課題解決の手法です。
下記のプロセスの頭文字をとってGROWモデルと呼ばれています。
- Goal 目標を設定する
- Reality 現状を明確化する
- Option 行動計画を作成する、選択肢を増やす
- Will 意思確認、意欲を喚起、動機付けをする
初回のセッションで行うこと
コーチングの初回の際には、目標の明確化、つまり、自分が想定するゴールをクライアントが設定します。
プライベートであれ仕事であれ、そのゴールが決まったら、次に実施するのが「ゴール達成したら、どうなるか?」を想像するビジョンメイキングです。
ビジョンとは、そのゴールに到達したら、見える風景、聴こえてくるもの、体感できるもの、触れられるもの、得られるものなどで、自分自身だけでなく周囲の風景も、今そこにいるように体感して描いてもらいます。
まさに「ビジョンメイキング=映像化」なのです。このビジョンメイキングは非常に重要で、目標に向かって進む大きなエネルギーになります。
ゴールが決まり、ビジョンが描けたら、次に行なうことは、そのゴールに対しての現在地を確認することです。そのギャップがわかれば、そこを埋めていくアクションプランを考えます。その際に自分のリソースや課題を確認し、選択肢を増やしたり代替案を考えたりします。
最後に意思決定、意思確認、動議づけを行ないます。
このサイクルを回すことで、クライアントは目標達成に近づいて行くことができます。これがGROWモデルです。
セッションに使われるコーチングスキル
セッションでよく使用される4大スキルは、傾聴、承認、質問、フィードバックです。これらを使ったセッションを行うことでクライアントの自発的な行動を喚起します。
心理学を基盤としたさまざまなスキルがあり、コーチは必要に応じてこれらを駆使してクライアントの行動変容を促進します。